毎月の経費精算業務、あなたの会社ではどのように行っていますか?多くの企業では、紙の領収書を集めて申請書に貼り付け、上司の承認をもらい、経理部門に提出するという流れが一般的です。
しかしこの方法では申請者・承認者・経理担当者にいたるまで、多くの時間と労力を費やしてしまいます。特に月末や決算期には業務が集中し、残業の原因にもなりかねません。
そこで注目されているのが「経費精算システム」です。経費精算システムを導入することで、申請から承認、経理処理までの一連の流れをデジタル化し、業務効率を向上させることができます。
本記事では、経費精算システムの基本から、種類やタイプ、おすすめのシステムまで詳しく解説します。自社に最適な経費精算システムを選ぶための参考にしてください。
経費精算システムとは?

経費精算システムとは、企業の従業員が日々発生する経費を正確かつ効率的に記録・申請・管理するためのツールのことです。従来の紙やExcelベースの経費精算業務をデジタル化することで、申請者の入力負担を軽減し、承認プロセスをスムーズにし、経理業務の効率化を図ります。
多くの経費精算システムは、会計システムや請求書管理システムと連携することで、データの二重入力を防ぎ、経理業務全体の効率化を図ることが可能です。例えば、経費精算システムで承認された経費データを会計システムに自動連携させることで、仕訳作業の手間を削減できるといったメリットがあります。
近年はテレワークの普及や電子帳簿保存法の改正などを背景に、導入を検討する企業が増加しています。業種を問わず、経費精算業務の効率化や透明性の向上、コスト削減などを目的に導入されることが多いでしょう。
経費精算システムの主な機能・目的

経費精算システムの主な機能や目的は、次のとおりです。
- 入力負担の軽減
- 申請・承認フローの簡素化
- 経理業務負担の軽減
- ペーパーレス化の推進
- コスト管理・削減
それぞれの機能や目的について詳しく見ていきましょう。
(1)入力負担の軽減
経費精算システムの特徴は、経費データの入力負担を軽減できる点です。
従来の紙ベースの経費精算では、領収書を台紙に貼り付け、金額や日付、支払先などを手書きやExcelで入力する必要がありました。しかし経費精算システムを導入することで、以下のように作業が格段にしやすくなります。
- 領収書の写真撮影とOCR機能によるデータ自動入力を活用することで手動作業を削減できる
- 交通費や宿泊費などの経費項目を事前設定し、選択式で入力可能
- スマホアプリの活用で、どこでも簡単に申請できる
例えばスマホで領収書を撮影するだけで、日付や金額、店舗名などの情報を自動的に読み取り、申請フォームに入力してくれる機能があります。また、交通系ICカードやクレジットカードと連携すれば、交通費や出張費などの経費データを自動的に取り込むことも可能です。
この機能により、従業員は経費精算に費やす時間を削減でき、本来の業務に集中できます。特に営業職など外出が多い従業員にとっては、大きな負担軽減となるでしょう。
(2)申請・承認フローの簡素化
経費精算システムを使うと、申請から承認までのフローを簡素化できます。部署やプロジェクト単位でカスタマイズ可能な承認ワークフロー機能や、リアルタイムでの承認状況確認機能とリマインダー通知機能を有するからです。
紙ベースの経費精算では、申請書を上司に提出し、承認印をもらい、経理部門に提出するという流れが一般的です。しかし、この方法だと上司が不在の場合や複数の承認者がいる場合、承認プロセスに時間がかかってしまいかねません。
経費精算システムでは、申請者がシステム上で申請を行うと、自動的に承認者に通知が送られます。さらに以下のような機能があるため、承認待ちの状態が長く続くことを防げます。
- 承認や差し戻しが行える機能
- 承認状況をリアルタイムで確認できる機能
- 金額や経費種別に応じて承認ルートを自動的に振り分ける機能
- 不在の場合に代理承認者を設定する機能 など
このように、階層的な承認プロセスを可視化することで管理者の負担を軽減できるのです。
(3)経理業務負担の軽減
経費精算システムを使うと、経理担当者の業務負担も軽減できます。提出された申請書の内容を確認し、会計システムに手入力する作業の手間を省けるからです。
経費精算システムでは、承認された経費データを自動的に仕訳を計上し、会計システムに連携できます。経費不正や重複精算を防ぐチェック機能が搭載されているシステムもあり、入力ミスのリスクを低減できるでしょう。
また、月次や年次の経費分析レポートの自動作成機能が搭載され、経費レポートの作成もしやすいシステムもあります。経費の支払い処理も効率化され、従業員への立替金の支払いもスムーズです。
これらの機能により、経理担当者は、より付加価値の高い業務に時間を割くことができるようになるでしょう。
(4)ペーパーレス化の推進
経費精算システムを利用することで、企業のペーパーレス化を大きく推進できます。領収書の原本の保管が不要となり、保管スペースの確保や管理の手間、さらには紙の申請書や領収書の紛失のリスクも防げるからです。
また、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法により、一定の要件を満たせば、紙の領収書を廃棄してデジタルデータのみで保存することが認められるようになりました。そのため経費精算システムを使うことで領収書や証憑類をデジタルで保存でき、書類管理コストを削減できます。
ペーパーレス化により、紙の使用量を減らすことで環境保護にも貢献できるほか、テレワークなど場所を選ばない働き方にも対応しやすくなります。
(5)コスト管理・削減
経費精算システムは、企業のコスト管理や削減にも大きく貢献します。経費データの集計や分析にかかる時間を削減し、経費の無駄や不正を発見しやすい仕組みを整えられるためです。
経費精算システムでは、すべての経費データが一元管理できるため、部門別や経費項目別の支出状況を簡単に把握できます。無駄な出費や異常値を早期に発見でき、コスト削減につながるでしょう。
経費の使用傾向を分析することで、より効果的な予算配分や経費ポリシーの策定も可能です。加えて、経費精算業務全体の効率化により、人的コストの削減も期待できます。
申請者、承認者、経理担当者それぞれの作業時間が短縮されることで、本来の業務に集中できるようになり、企業全体の生産性向上につながるでしょう。
経費精算システムの種類

経費精算システムの種類は、以下の3つです。
- クラウド型
- オンプレミス型
- パッケージ型
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
(1)クラウド型
クラウド型の経費精算システムは、インターネットを通じてサービスを利用する形態です。サーバーやソフトウェアはサービス提供者が管理し、ユーザーはWebブラウザやスマホアプリからシステムにアクセスします。
クラウド型のメリットは、初期投資が少なく、短期間で導入できる点です。サーバーの構築や保守が不要なため、IT部門の負担も軽減されます。サービス提供者が定期的にシステムをアップデートするため、常に最新の機能を利用できるほか、法令遵守も可能です。
一方、デメリットとしては、長期的に見るとランニングコストがかさむことや、カスタマイズの自由度がオンプレミス型に比べて低い点が挙げられます。また、インターネット環境に依存するため、ネットワークのトラブル時にはシステムが利用できなくなることもあるでしょう。
このような特徴から、クラウド型は特に中小企業や迅速な導入を希望する企業に適しています。近年は大企業でもクラウド型を採用するケースが増えており、市場の主流となっています。
(2)オンプレミス型
オンプレミス型の経費精算システムは、自社のサーバーにシステムを導入して運用する形態です。システムの構築から保守・運用まで、基本的に自社で行います。
オンプレミス型のメリットは、自社の業務フローや要件に合わせた細かいカスタマイズが可能な点です。すべてのデータを自社内で管理できるため、セキュリティ面での安心感もあります。
一方、デメリットとしては、初期導入コストが高く、導入までに時間がかかる点が挙げられます。また、サーバーの保守・運用やシステムのアップデートなど、継続的なIT投資と専門知識が必要です。法改正などに対応するためのアップデートも自社で行わなければなりません。
このような特徴から、オンプレミス型は主に大企業や特定のセキュリティ要件を満たす必要がある企業、既存システムとの密な連携が必要な企業に適しています。
(3)パッケージ型
パッケージ型の経費精算システムは、あらかじめ機能がパッケージ化されたソフトウェアを購入し、自社のサーバーやPCにインストールして利用する形態です。
パッケージ型の特徴は、クラウド型とオンプレミス型の中間的なシステムである点です。初期コストはオンプレミス型ほど高くなく、一定のカスタマイズもできます。また、一度購入すれば継続的なライセンス料が発生しないケースもあり、長期的なコスト面でのメリットもあります。
一方、デメリットは、インストールや設定に専門知識が必要な点や、バージョンアップのたびに追加費用が発生する可能性がある点です。クラウド型に比べると機能の拡張性や更新頻度が劣る場合もあるでしょう。
このような特徴から、パッケージ型は中規模以上の企業や、初期コストを抑えつつも一定のカスタマイズ性を求める企業に適しています。ただし、近年はクラウド型の普及により、パッケージ型の市場シェアは縮小傾向にあります。
経費精算システムのタイプ

経費精算システムは、機能や特徴によって以下の3つのタイプにわけることができます。
- スタンダードなタイプ
- 複雑な承認フローにも適応可能なタイプ
- 周辺業務との連携が得意なタイプ
それぞれのタイプについて詳しく見ていきましょう。
(1)スタンダードなタイプ
スタンダードなタイプの経費精算システムは、経費精算に必要な基本的な機能を備えたシンプルなものです。操作性が良く、導入しやすいのが特徴です。
このタイプのシステムでは、経費の申請・承認・精算といった基本的な機能が充実しています。領収書のデジタル化や簡単な承認フロー、基本的なレポート機能などが備わっており、多くの企業の経費精算業務をカバーできます。
操作画面もシンプルで直感的なものが多く、ITリテラシーの高くない従業員でも簡単に使いこなせるのが魅力です。また、価格も比較的リーズナブルなものが多いため、初めて経費精算システムを導入する中小企業にも適しています。
複雑な承認フローや高度なカスタマイズには対応していないケースが多いため、独自の業務フローを持つ企業や大規模な組織には不向きな場合があります。
(2)複雑な承認フローにも適応可能なタイプ
複雑な承認フローにも適応可能なタイプの経費精算システムは、多段階の承認プロセスや条件分岐など、複雑な承認フローを柔軟に設定できるシステムです。機能が豊富な分、価格も高めという特徴があります。
このタイプのシステムでは、金額や経費種別、部門などの条件に応じて承認ルートを細かく設定できます。例えば「5万円以上の経費は部長承認が必要」「交際費は経理部の確認も必要」といった独自のルールがある場合や、代理承認や承認権限の委譲なども柔軟にも対応可能です。
承認プロセスの可視化機能も充実しており、現在の承認状況や滞留している申請を一目で確認でき、経費精算の遅延を防ぐことができます。
以上の特徴から、部門や階層が多い大企業や、厳格な内部統制が求められる上場企業などに適しています。
(3)周辺業務との連携が得意なタイプ
周辺業務との連携が得意なタイプの経費精算システムは、経費精算だけでなく、勤怠管理や給与計算、会計システムなど、関連する業務システムとの連携に優れたシステムです。
このタイプのシステムでは、経費データを他のシステムと自動的に連携できます。例えば、経費精算システムで承認された経費データを会計システムに自動連携させたり、立替経費を給与システムに連携して給与と一緒に支払ったりできます。
同一ベンダーが提供する他のバックオフィスシステム(勤怠管理、給与計算、会計システムなど)との連携がスムーズなケースが多く、統合的な業務効率化も図れるでしょう。
以上のことから、周辺業務との連携が得意なタイプは、バックオフィス業務全体の効率化を目指す企業や、既存のシステムとの連携を重視する企業におすすめです。
ただし経費精算システムによって連携できるシステムが異なるため、既存システムとの相性を事前に確認することをおすすめします。
おすすめの主要な経費精算システム6選

経費精算システムは多数存在しますが、ここでは特におすすめの6つを紹介します。それぞれの特徴や強みを比較しながら、自社に最適なシステムを選ぶ参考にしてください。
サービス名 | タイプ | 価格帯 | 対象企業 | ペーパーレス対応 |
---|---|---|---|---|
楽楽精算 | スタンダードなタイプ | ・初期費用:10万円 ・月額費用:3万円~ | 中小・中堅 | 対応 |
ジョブカン経費精算 | スタンダードなタイプ | 【中・小規模の企業】 ・初期費用・サポート費用:0円/月 ・利用料金:400円/月(1ユーザーあたり) 【大規模(500名目安)の企業】 ・初期費用・サポート費用:要問い合わせ ・利用料金:要問い合わせ | 中小 | 対応 |
TOKIUM経費精算 | 複雑な承認フローにも適応可能なタイプ | ・初期費用:要問い合わせ ・基本利用料金:1万円~ ・領収書の件数による従量制:要問い合わせ | 中小・中堅 | 対応 |
バクラク経費精算 | 複雑な承認フローにも適応可能なタイプ | ・月額費用:3万円~ ・初期導入サポート費用:要問い合わせ | 中小・中堅 | 対応 |
freee経費精算 | 周辺業務との連携が得意なタイプ | 【年払いプラン】 ・月額7,500円(年額9万円) ・従量課金:月額650円/人 【月払いプラン】 ・月額1万円(年額12万円) ・従量課金:月額650円/人 | 中小 | 対応 |
マネーフォワード クラウド経費 | 周辺業務との連携が得意なタイプ | 【スモールビジネス】 ・初期費用:0円 ・年額プラン:2,980円/月(35,760円/年) ・月額プラン:3,980円/月 ・従量課金:使った人数分 【ビジネス】 ・初期費用:0円 ・年額プラン:4,980円/月(59,760円/年) ・月額プラン:5,980円/月 ・従量課金:使った人数分 | 中小・中堅 | 対応 |
(1)楽楽精算
楽楽精算は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムです。
自動仕訳・自動読み取り機能を搭載し、会計ソフトともスムーズに連携ができます。また、規定違反チェックや承認フローの自由設定が可能で、企業ごとのルールに柔軟に対応できます。
導入時から専任スタッフがメールや電話で手厚くサポートしてくれるため、初めてのシステム導入でも安心して使用することができます。業界トップクラスの導入実績を誇る点も信頼の証です。経費精算の業務効率を向上させたい企業にとって、心強いシステムと言えるでしょう。
(2)ジョブカン経費精算
ジョブカン経費精算は、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の経費精算システムです。シンプルな操作性と低価格な点が特徴で、中小企業を中心に多くの導入実績があります。
基本機能も充実しており、領収書のデジタル化、交通費精算、承認ワークフロー、会計ソフトとの連携など、経費精算に必要な機能を一通り備えています。同じジョブカンシリーズの勤怠管理や給与計算などと連携することで、バックオフィス業務全体の効率化も図れるでしょう。
価格も1ユーザーあたり月額400円からと低価格なプランが用意されており、手軽さが特徴の経費精算システムです。
(3)TOKIUM経費精算
TOKIUM経費精算は、株式会社TOKIUMが提供するクラウド型の経費精算システムです。99%以上の精度で領収書のデータ化が可能な点が特徴です。スマホ1つで交通系ICカードの読み取りや明細の自動取得もできます。
承認フローも柔軟に設定でき、複雑な承認ルートや条件分岐にも対応可能です。サポート体制も充実しており、マスタ設定や会計フォーマット作成を専任サポート窓口が代行してくれます。
料金体系は基本利用料金1万円からと中価格帯ですが、複雑な承認フローにも適応可能な経費精算システムを探している方は検討してみてください。
(4)バクラク経費精算
バクラク経費精算は、株式会社LayerXが提供するクラウド型の経費精算システムです。AI-OCRによる高精度な領収書読み取り機能と、他システムとのAPI連携の豊富さが特徴です。
AI-OCRによる領収書の自動読み取り機能では、スマホで撮影した領収書の画像から日付や金額、店舗名などの情報を一括で読み取って自動で入力できます。複数枚の領収書も一括で処理できるため、大量の経費申請も効率的に行えるほか、手入力によるミスや手間を削減できます。
API連携も豊富で、各種会計システムや人事システム、勤怠管理システムなど、さまざまな業務システムとの連携が可能です。
月額費用は3万円からですが、機能の豊富さを考えると、コストパフォーマンスの高いシステムといえるでしょう。
(5)freee経費精算
freee経費精算は、フリー株式会社が提供するクラウド型の経費精算システムです。会計ソフトfreeeとの連携性に強みを持ち、バックオフィス業務全体の効率化を図れるのが特徴です。
freee経費精算はAI-OCRによる経費入力支援機能が充実しており、スマホで撮影した領収書の画像から、日付や金額、店舗名などの情報を自動的に読み取って申請フォームに入力できます。過去の入力履歴をもとに経費項目や勘定科目を自動的に提案する機能もあり、入力の手間を削減できる点も魅力です。
料金体系は基本料金と従量課金の組み合わせで、個人事業主や小規模企業向けのシンプルなプランから、中規模企業向けのプランまであるため、企業規模に応じて選べます。
(6)マネーフォワードクラウド経費
マネーフォワード クラウド経費は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型の経費精算システムです。多数の金融機関やクレジットカードとの連携に強みを持ち、経費精算の自動化を推進できます。
マネーフォワードクラウド経費の特徴は、2,500以上の金融機関やクレジットカードとの連携が可能な点です。連携した口座やカードの利用明細を自動的に取り込み、経費申請の元データとして利用できるため、正確な経費管理が可能になります。
電子帳簿保存法への対応も万全で、電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証や電子取引ソフト法的要件認証も取得しています。
年額プランは月額2,980円からと低価格帯ながらも、中小企業から中堅企業まで対応可能な柔軟性を持っている経費精算システムです。
経費精算システムの選び方

経費精算システムを選ぶ際には、以下の5つのポイントを考えることが重要です。
- 必要な機能がそろっているか
- どのくらいのコストがかかるか
- サポート体制が充実しているか
- 内部統制に対応しているか
- 他の業務システムと連携できるか
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
(1)必要な機能がそろっているか
経費精算システムを選ぶ際には、まず以下の観点から自社の経費精算業務に必要な機能がそろっているかを確認することが重要です。
- 自社の経費精算業務に必要な基本機能(領収書管理、ワークフロー、レポート作成など)が含まれているか
- 業種や企業規模に特化した機能が提供されているか
- 会計ソフトやERPシステムなど既存の業務システムとのスムーズな連携が可能か
- 自社の成長に合わせてユーザー数や機能を拡張できる柔軟性があるか
例えば、交通費の精算が多い企業であれば、交通系ICカードの読み取り機能や「駅すぱあと」との連携機能が重要になるでしょう。また、外出の多い従業員が多い企業であれば、スマホアプリの使いやすさも重要なポイントです。
機能を選ぶ際には、「必要な機能がそろっているか」だけでなく、「不要な機能がないか」という視点も重要です。経費精算システムにはさまざまな機能がありますが、すべての機能が自社に必要とは限りません。不要な機能が多いと、操作が複雑になったり、コストが高くなったりする可能性もあります。
自社に本当に必要な機能を見極め、シンプルで使いやすいシステムを選ぶことが大切です。
(2)どのくらいのコストがかかるか
経費精算システムの導入には、さまざまなコストがかかります。初期費用や月額料金だけでなく、以下のような観点から総コストを把握することが大切です。
- 初期費用や月額料金、追加機能の利用料金などの総コストはいくらか
- 自社の予算に見合ったプランや柔軟な料金設定が用意されているか
- 無料トライアルは可能か
クラウド型の経費精算システムでは、一般的に初期費用は不要または低額で、月額料金制となってる傾向にあります。また月額料金は基本料金と従量課金(ユーザー数や処理件数に応じた料金)の組み合わせが多い傾向です。
一方、オンプレミス型やパッケージ型では、初期費用が高額になる傾向がありますが、長期的に見るとランニングコストが抑えられる場合もあります。
コストを検討する際には、単に料金の安さだけでなく、導入による業務効率化や人的コスト削減などのメリットも考えることが大切です。初期費用や月額料金が高くても、業務効率化が見込める場合は、長期的に見れば投資効果が高いこともあります。
(3)サポート体制が充実しているか
経費精算システムの導入や運用には、さまざまな疑問や問題が発生する可能性があり、迅速に対応してくれるサポート体制があるかどうかが、スムーズな導入と運用の鍵となります。特に以下のポイントは確認しておくと良いでしょう。
- 導入時の設定支援やマニュアル、トレーニングが充実しているか
- 利用開始後も迅速に対応してくれる問い合わせ窓口やサポートが用意されているか
なかでも既存の経費精算方法からの移行や、他システムとの連携設定などは専門知識が必要な場合が多いため、ベンダー側のサポートが充実していると安心です。
必要に応じて、システムの操作方法や設定変更、トラブル対応などについて、電話やメール、チャットなどで問い合わせができるかどうかを確認しましょう。サポート対応時間や対応言語、対応範囲なども事前に確認しておくこともポイントです。
(4)内部統制に対応しているか
企業の規模が大きくなるほど、内部統制の重要性が高まります。経費精算システムを選ぶ際には、不正やミスを防止し、適切な承認プロセスを確保するための機能が備わっているかを確認することもポイントの1つです。
金額や経費種別に応じた承認ルートの設定や、承認権限の管理、代理承認の設定などが柔軟にできるかを確認しましょう。また、承認履歴の記録や変更履歴の管理機能があるかも確認事項です。
そのほかにも、以下を確認しておくと安心です。
- 経費規程に反する申請を自動的に検出する機能
- 重複申請のチェック機能、予算管理機能
- だれがいつどのような操作を行ったかを記録するログ管理機能
- ユーザーごとに細かく権限を設定できる機能
特に上場企業や上場を目指す企業、グローバル展開している企業などでは、J-SOXやSOX法などの内部統制要件に対応する必要があります。そのような場合は、監査証跡の記録や内部統制報告書の作成支援機能なども確認しておくと良いでしょう。
(5)他の業務システムと連携できるか
システム選びの際には、既存システムとの連携可能性を確認することが重要です。単独で使用するよりも、会計システムや人事給与システム、勤怠管理システムなど、他の業務システムと連携させることで、より大きな効率化効果を得られるためです。
連携方法としては、API連携がもっとも効率的ですが、CSV出力・取り込みによる連携も広く利用されています。必要に応じて、クレジットカードや交通系ICカード、タクシー配車アプリなど、外部サービスとの連携性も確認しておくと良いでしょう。
連携機能を評価する際には、連携の方法(API、CSV、手動など)や連携の頻度(リアルタイム、日次、月次など)、連携できるデータの範囲なども確認しておくことが大切です。また、将来的に導入を検討しているシステムと連携が可能かも視野に入れておくと良いでしょう。
経費精算システムの導入ならReaLightへ
経費精算システムは、企業の業務効率化や内部統制の強化、コスト削減など、さまざまなメリットをもたらします。ただし、自社に最適なシステムを選ぶためには、必要な機能やコスト、サポート体制、内部統制への対応、他システムとの連携など、多角的な視点での比較検討が必要です。
もし自社に適したツールの選定にお悩みなら、ReaLightにお任せください。ReaLightでは、お客様の業務課題や要件をヒアリングし、最適な経費精算システムをご提案いたします。導入支援からアフターサポートまで一貫してサポートし、貴社の業務効率化を目指します。