データの手入力による時間の無駄や、入力ミスに頭を悩ませることはありませんか?
これらは結果として、ビジネスの効率を低下させ、貴重な経営資源を浪費してしまうことも少なくありません。
しかし、勘定奉行のAPI連携機能を活用すれば、この課題を一気に解決できます。様々なシステムやサービスとのシームレスな連携が可能になり、業務効率の向上も期待できるでしょう。
本記事では、勘定奉行のAPI連携について詳しく解説し、具体的な活用方法や注意点を紹介しています。
ぜひ最後までお読みいただき、勘定奉行を最大限に活用する方法を見つけてください。
勘定奉行のAPI連携とは?
APIとは「Application Programming Interface」の略で、異なるソフトウェア間でデータやコマンドをやり取りするための仕組みです。
勘定奉行のAPI連携とは、勘定奉行の会計ソフトウェアを他のシステムやサービスとシームレスに接続する方法のことです。
具体的には、勘定奉行のAPI連携によって、以下のようなことが可能になります。
項目 | 説明 |
---|---|
データの自動同期 | 売上データや経費情報を他のシステムから自動的に取り込む |
リアルタイム更新 | 金融機関からの入出金明細データをリアルタイムで反映させる |
これらの機能により、手動でのデータ入力や転記作業が削減され、業務効率も向上します。また、人為的ミスのリスクも低減されるため、より正確な会計処理が実現可能です。
勘定奉行クラウドのAPI連携を利用するメリット
勘定奉行クラウドのAPI連携を利用することで、企業は多くのメリットを期待できます。
具体的には、以下の5つです。
- 経理業務の効率化ができる
- 業務に応じて自動連携の設定ができる
- 入力作業がないためミスを防止できる
- 複数のシステムで共通する項目の一元管理ができる
- 異なるシステム同士でデータの共有ができる
それでは、各メリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット①:経理業務の効率化ができる
勘定奉行クラウドのAPI連携を活用することで、経理業務の効率化が進みます。
まず、伝票入力作業が削減できます。他システムにある売上データや経費精算データを勘定奉行クラウドに入力する際、API連携を利用すると自動化により、時間や労力の節約につながります。
また、マスタ情報のメンテナンス作業も軽減できます。API連携では、取引先情報や商品情報などのマスタデータを他のシステムと自動的に同期させることができるため、新規登録や修正などの重複作業が不要になります。
さらに、データ連携のプロセスの簡素化を狙えるのもポイントです。従来は異なるシステム間でデータをやり取りする際にエクスポートやインポート作業が必要でしたが、API連携によってこの作業が自動化されます。
これらの業務効率化により、経理担当者はより付加価値の高い業務に時間を割くことができ、企業全体の生産性向上に貢献します。
メリット②:業務に応じて自動連携の設定ができる
勘定奉行クラウドのAPI連携の大きなメリットの1つは、業務の流れに合わせてカスタマイズできることです。
例えば、連携処理を夜間に自動実行するなどの細かな設定ができます。日中の業務を妨げることなく、大量のデータ処理を行うことが可能になるのです。
ほかにも、特定の業務が完了した直後に実行してほしい連携処理の設定もできます。例えば、売上データが確定した瞬間に会計システムに反映させるといった具合です。
このようにカスタマイズ性に優れたリアルタイムな連携により、常に最新の財務状況を把握できます。
さらに、月次決算などの定期的な処理に合わせて自動連携のスケジュールを組むこともでき、決算作業の効率化とスピードアップが図れます。
このように、業務プロセスに応じて柔軟に自動連携を設定できることで、よりスムーズな業務遂行が可能になり、企業の競争力向上につながるでしょう。
メリット③:入力作業がないためミスを防止できる
勘定奉行クラウドのAPI連携を利用することで、手入力の作業が削減され、それに伴う人為的ミスのリスクも低減します。
受注・売上・請求データは自動的に抽出され、正確に会計システムに書き込まれるため、転記ミスや入力ミスといった問題が発生しません。
例えば、きめ細かく区分された仕訳を自動作成することで、より緻密な会計情報を常に把握できます。手動で行うには時間と労力を要する作業ですが、API連携によって正確かつ効率的に実現できます。
また、データの整合性も自動的に確保できることも利点です。異なるシステム間におけるデータの不一致や、重複入力によるエラーなども防ぐことができます。
このように、入力作業の自動化によってミスを防止することで、財務データの信頼性が向上し、より正確な経営判断が可能となります。
また、ミス修正にかかる時間も削減できるため、業務効率の向上にもつながります。
メリット④:複数のシステムで共通する項目の一元管理ができる
勘定奉行クラウドのAPI連携を活用することで、複数のシステムで共通する項目を効率的に一元管理できます。
これにより、データの整合性が保たれ、管理の手間が削減されます。
例えば、総務人事奉行クラウドを契約している場合、社員情報の変更を一度行うだけで、連携しているすべてのシステムに自動的に反映するなどの管理が可能です。
各システムに個別に入力する必要がなくなり、作業時間の短縮と入力ミスの防止につながります。
また、取引先情報や商品マスタなども同様に一元管理が可能です。この情報が自動的に同期されることで、常に最新のデータを全システムで共有できます。
さらに、一元管理によってデータの整合性が保たれるため、各部門間でのデータの齟齬が減少し、より正確な経営判断が可能になります。
このように、データの一元管理ができることは、業務効率の向上だけでなく、経営の質的向上に貢献するでしょう。
メリット⑤:異なるシステム同士でデータの共有ができる
勘定奉行クラウドのAPI連携機能を活用することで、異なるシステム間でのデータ共有がしやすくなります。
これにより、部門間の壁を越えた情報の流通が促進され、業務の効率化と意思決定の迅速化が図れます。
例えば、経理部で使用している会計システムと営業部で使用している見積書作成システムが異なる場合であっても、API連携によってシームレスなデータ共有が可能です。
見積書作成システム内のデータを、会計システムでも利用できるため、二重入力の手間が省くことができ、入力ミスのリスクも軽減されます。
また、システムごとに担当者が異なる場合でも、データの共有が可能になるため、特定のシステム担当者が不在でもデータを確認できます。業務の継続性が向上し、顧客対応のスピードアップにもつながるのです。
販売管理システムと在庫管理システム、経費精算システムなど、様々なシステム間でのデータ共有が可能になることで、企業全体の業務プロセスを最適化でき、経営の可視化と迅速な意思決定につながるでしょう。
勘定奉行クラウドにて利用可能なAPI連携の種類一覧
勘定奉行クラウドでは、奉行APIコネクトサービスを通じて、様々な業務サービスとのAPI連携が可能です。
これにより、企業の業務効率化や生産性向上を実現できます。
主要な連携機能として、以下の7つが挙げられます。
- 銀行API連携
- 独自業務アプリ連携(kintone)
- POSレジ連携(スマレジ)
- Web請求書連携(BtoBプラットフォーム請求書)
- 経費精算クラウド連携(楽楽精算)
- 経営分析・予測サービス連携(bixid)
- 外部システム自動連携(CSVファイル)
それでは、それぞれの連携機能について詳しく見ていきましょう。
種類①:銀行API連携
銀行API連携は、企業の資金管理を変革する機能です。この連携により、銀行と事業者との間で安全かつ効率的なデータ連携が可能になります。
特筆すべき点は、API連携対応の法人口座を利用している場合、インターネットバンキングのIDやパスワードを登録しなくても業務の自動化が実現できる点です。
具体的には、口座残高や入出金明細などの情報が自動的に勘定奉行クラウドに反映されます。従来手動で行っていた銀行取引の記帳作業が大幅に簡素化されます。また、リアルタイムでの資金状況の把握が可能になるため、より正確で迅速な資金管理が実現するでしょう。
さらに、この連携は改正銀行法にも対応しており、セキュリティ面でも安心して利用できます。データのやり取りが暗号化され、高度なセキュリティ対策が施されているため、機密性の高い金融情報も安全に管理できます。
このように、銀行API連携は業務効率の向上だけでなく、資金管理の精度向上、さらにはキャッシュフロー予測の精緻化にも貢献する、現代の企業経営に不可欠な機能といえるでしょう。
種類②:独自業務アプリ連携(kintone)
独自業務アプリ「kintone」と勘定奉行クラウドの連携は、リアルタイムのデータ共有を可能にし、業務の効率化を向上させます。
特筆すべき点は、現場で入力した情報が基幹データとして自動連携され、二重入力の必要性が完全になくなる点です。例えば、営業担当者が現場でkintoneに入力した受注情報が、即座に勘定奉行クラウドに反映されるため、経理部門での再入力は不要です。
この連携は、データの正確性向上、業務プロセスの簡素化、そして部門間のコミュニケーション改善にも貢献します。
このように、独自業務アプリ「kintone」との連携によって企業全体の生産性と意思決定の質が向上することが期待できます。
種類③:POSレジ連携(スマレジ)
クラウドPOSレジ「スマレジ」との連携は、特に小売業や飲食業にとって便利な機能です。この連携により、毎日の売上・入金データを仕訳計上する作業が大幅に簡素化され、日々のレジデータを手動で送信する業務が完全に不要になります。
スマレジで記録された売上データは、自動的に勘定奉行クラウドに反映されるため、経理担当者の作業負担を大きく軽減できるのがメリットです。この自動連携は、データ入力ミスの防止にも貢献し、より正確な売上管理を可能にします。
また、リアルタイムでの売上状況の把握が可能になるため、経営判断のスピードアップにも寄与します。
このように、クラウドPOSレジ「スマレジ」連携は業務効率向上だけでなく、経営の質的向上にもつながる重要な機能といえるでしょう。
種類④:Web請求書連携(BtoBプラットフォーム請求書)
Web請求書連携、「BtoBプラットフォーム請求書」との連携は、企業間取引における請求書のやりとりを効率化します。この連携により、電子データで受け取った請求書情報を直接仕訳伝票データとして連携でき、従来の紙の請求書を手動で入力する手間を削減可能です。
この自動連携では、入力ミスの防止や作業時間の短縮だけでなく、請求書の紛失リスクにも備えられます。また、デジタル化による保管スペースの削減や、検索性の向上といった副次的なメリットも得られます。
このように、「BtoBプラットフォーム請求書」は経理業務の効率化と正確性の向上、さらにはペーパーレス化による環境負荷の低減にも貢献する重要な機能といえるでしょう。
種類⑤:経費精算クラウド連携(楽楽精算)
勘定奉行では、経費精算クラウド連携、特に「楽楽精算」との連携も可能です。この連携により、楽楽精算で処理された経費情報が自動的に勘定奉行クラウドの仕訳伝票データとして反映されます。
具体的には、従業員が楽楽精算で経費を申請し、承認とその後の操作が完了すると、その情報が勘定奉行クラウドに連携されます。
経理担当者が手動で仕訳伝票を作成する必要がなくなり、作業時間が削減されるのです。これにより、入力ミスの防止や作業効率の向上だけでなく、経費状況の早期把握も可能になります。
また、経費データの一元管理により、より正確で迅速な経費分析まで実現できるでしょう。
このように、「楽楽精算」との連携は、経理業務の効率化と正確性の向上、さらには経費管理の透明性向上にも貢献する重要な機能です。
種類⑥:経営分析・予測サービス連携(bixid)
経営分析・予測サービス連携、特に「bixid」との連携は、企業の財務管理を変革します。この連携により、仕訳の起票からチェック、分析まで一連のプロセスが自動化され、最速で正確な経営の見える化が実現します。
具体的には、勘定奉行クラウドの財務データがbixidに連携され、リアルタイムで経営状況を自動分析できるのが特徴です。これにより、経営者や財務担当者は、常に最新の経営状況を把握できるでしょう。
また、過去データから将来の資金・財務状況を自動的にシミュレーションすることも可能になります。この自動連携は、データ入力や分析にかかる時間を削減するだけでなく、人為的ミスも防止します。
さらに、AIによる高度な分析により、人では気づきにくいトレンドや異常値の検出も可能です。
このように、「bixid」との連携は企業の競争力向上に大きく貢献する重要な機能といえるでしょう。
種類⑦:外部システム自動連携(CSVファイル)
外部システム自動連携は、勘定奉行クラウドの業務効率化を向上させる機能です。この連携により、外部システムの取引先データや仕訳伝票データの受入・作成作業が自動化され、連携作業の手間が削減されます。
具体的には、指定フォルダーにCSVファイルを保存するだけで、「奉行クラウド自動連携エージェント」がスケジュールに応じて自動的にデータの受入・作成作業を実行できます。これにより、Webアプリ、パッケージシステム、個別開発システムなど、様々な外部システムとの連携が可能です。
ただし、注意点として「奉行クラウド自動実行エージェント」の利用には別途費用が発生します。
しかし、このコストに見合う業務効率化と正確性の向上が期待できるでしょう。
勘定奉行をAPI連携する際にある3つの注意点
API連携は多くのメリットをもたらしますが、同時に注意すべき点もあります。
勘定奉行に限った話ではありませんが、API連携を検討する際には以下の3つの点に特に注意が必要です。
- 連携先に仕様変更があれば自社アプリやコンテンツに影響が出る
- セキュリティ対策サービスの導入には費用が発生する
- 費用がかかる場合がある
それでは、この注意点について詳しく見ていきましょう。
注意点①:連携先に仕様変更があれば自社アプリやコンテンツに影響が出る
API連携を行う際の重要な注意点として、連携先のサービスにおける仕様変更の影響が出る可能性があります。このような変更が発生すると、自社のアプリケーションやコンテンツに修正が必要となります。
具体的には、API連携先の仕様が変更されると、データの形式や取得方法も変わる可能性があり、既存のアプリケーションが正常に機能しなくなる恐れがあるのです。そのため、連携先の仕様変更のタイミングや修正内容を常に把握し、迅速に対応することが求められます。
このあたりはAPI連携の提供会社が対応しますが、自社でAPI連携を設定している場合は、自社のシステム担当者やエンジニアが、常に最新の技術動向や変更情報をキャッチアップできる体制を整えることも重要です。
注意点②:セキュリティ対策サービスの導入には費用が発生する
API連携を行う際、セキュリティ対策は重要な課題です。APIの設計ミスや不具合によってセキュリティホールを生み出す危険性があるため、適切なセキュリティ対策サービスの導入が必要不可欠です。
APIのセキュリティ対策には、主に「OAuth 2.0」と「FAPI(Financial-grade API)」という2つの重要な技術があります。
OAuth 2.0は、サービスA(例:勘定奉行)の登録情報をサービスB(連携先)が要求する際に、ユーザーがサービスBに情報提供を許可するかどうかを判断できる仕組みです。この許可制により、ユーザーとサービスA・Bの3者間で安全にAPIを利用できます。
一方、FAPIは OAuth 2.0を金融サービス用に強化した技術仕様です。クライアントのなりすまし対策、許可コードの漏えい防止、ユーザー認証の強化などを実施することで、金融分野におけるAPIのセキュリティレベルを向上できます。
セキュリティ対策を万全にしておくことで、API連携におけるリスクを最小限に抑え、安全なデータのやり取りを実現できます。
注意点③:費用がかかる場合がある
API連携を検討する際、費用面での考慮も重要です。API連携には無償で利用できるものもありますが、利用に応じて費用が発生するケースもあります。そのため、API連携の導入を検討する際には、事前に費用面での確認が必要不可欠です。
勘定奉行シリーズを例に挙げると、「奉行クラウド自動実行エージェント」の利用が有料サービスに該当します。このサービスは外部システムとの自動連携を可能にする有用な機能ですが、その利用には別途費用が発生します。
費用は、連携するシステムの規模や利用頻度、データ量などによって変動します。また、初期導入費用と月額利用料が別々に設定されているケースもあるため、長期的な視点での費用計算が必要です。
したがって、API連携の導入を検討する際には、そのサービスがもたらす業務効率化や生産性向上のメリットと、かかる費用のバランスを十分に検討しましょう。
費用対効果を慎重に評価し、企業にとって最適な選択をすることが求められます。
勘定奉行では様々な用途に合わせてAPI連携が可能
勘定奉行のAPI連携機能を活用することで、業務効率化と正確性の向上が可能になります。外部システムとの自動連携、独自業務アプリとの連携、POSレジや経費精算システムとの連携など、幅広い用途に対応しているのも強みです。
一方で、API連携の導入や運用には専門的な知識が必要です。
少しでもお悩みなら、経験豊富な公認会計士が在籍するReaLightのサポートをご利用ください。
ReaLightは勘定奉行クラウドのデータ移行支援サービスの提供から経理業務体制の最適な構築の相談にも応じており、現在利用中の会計システムからの移行を検討している方を柔軟にサポートします。
スムーズかつ効果的なAPI連携の実現を目指されている方は、ぜひReaLightにお問い合わせください。豊富な経験と専門知識を活かし、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを提案いたします。