早いものでもう11月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?10月から緊急事態宣言も明け、少しずつ生活様式が変わってきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も家族で休日に買い物に出かける機会も増え、徐々に生活も元の状況に戻りつつあります。もちろんまた第6波の可能性はあるかと思いますので、安心はできないですが、徐々に経済状況も元に戻ってくると良いなと願っています。
さて、そんな中でコロナ禍において、2022年1月からある法律が改正されることをご存知でしょうか。それは、「電子帳簿保存法」です。以前にも電子帳簿保存法の改正ポイントを解説した記事を投稿させていただきましたが、今回はこの改正電子帳簿保存法に対応している会計システムを4つ程ご紹介できればと思います。
現在、我々のサービスラインの一つとして「経理DX」のご支援を実施させていただいていますが、この改正電子帳簿保存法に対応している会計システムとして「何を選べば良いか分からない」という声を頂戴する機会もあり、この記事が参考となれば幸いです。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、簡単に言えば「国税関係帳簿書類を電子データで保存することを認めた法律」です。
その歴史は意外と古く、初めて法律が施行されたのは1998年でした。そこから改正が繰り返され、この2022年1月よりこれまで以上に実用的な改正がなされています。改正のポイントについては、以前の記事(https://realight.co.jp/blog/273/)をご参照ください。
以下では、今回の2022年1月以降施行となる改正電子帳簿保存法に対応した会計システムを4つご紹介します。また、それぞれの特徴を簡単にご説明します。(なお、各会計システムの機能面等の説明は、2021/11/1時点までの各社のリリースをもとに記載しています。)
対応している会計システム
freee
freeeはクラウド会計システムの中で、現在一番利用されているといって過言ではないシステムです。2012年の創業から一貫して、日本のクラウド会計、ペーパーレス経理を推進してきました。
下記のリンクの通り、改正電子帳簿保存法に対応している旨のリリースを出しています。
https://www.freee.co.jp/houjin/electronic-book/
特に以下の2点については、今回の改正電子帳簿保存法に対応するために新たにリリースされている機能ですので留意が必要です。
■ファイルの訂正・削除履歴機能リリース
freee会計全プランで、アップロードしたファイルの訂正・削除履歴機能を2022年1月にリリース予定となっています。
訂正・削除履歴機能のリリースにより、2022年の電子帳簿保存法改正後において現行のタイムスタンプの付与作業は不要となります。
■発行した請求書の履歴・検索機能リリース
freee会計全プランで、発行する請求書などの取引書類の訂正・削除履歴機能および検索機能を2021年内にリリース予定です。特に保存のための作業をしなくても、税務エビデンスとして保存ができます。
マネーフォワード
マネーフォワードも、freeeと並んで日本のクラウド会計業界の大手の一つと言えます。freeeと同様、2022年1月の改正電子帳簿保存法の施行にあわせ、改正電子帳簿保存法の保存要件を満たした新機能を2021年内に順次リリースする予定になっています。
特に、クラウド型会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」および、IPO準備・中堅企業向けのクラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計Plus」、確定申告ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」に、新たに「証憑添付機能」を開始されます。
また、「マネーフォワード クラウドBox」単体での無料提供も開始されています。
https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20210929-mf-press-2/
勘定奉行
勘定奉行は、中堅中小企業の会計システムとして、確固たる地位を築き、上場会社や上場準備会社にも多く導入されています。
その中でクラウドで動く「勘定奉行クラウド」は、令和4年1月に改正される電子帳簿保存法の要件に完全対応します、とされています。勘定奉行クラウドは、電子証憑を安全なクラウド環境で保管し、「日付・金額・取引先」の3つの要件で検索し、いつでも証憑データをダウンロードすることができます。また、改正後に想定される「証憑収集業務」「支払業務」「入力業務」の課題を解決し、すべてをデジタルで完結できるように新機能を追加(2022年1月予定)していくとしています。
なお、勘定奉行11/10を利用されている場合には、2021年12月提供「奉行Edge 証憑保管クラウド」を契約し、スキャンした証憑ファイルや電子取引ファイルを、改ざんができないクラウド上で、タイムスタンプを付与して保管するようになっています。
https://www.obc.co.jp/landing/denshihozon
https://supportexo.obc.jp/hc/ja/articles/4407068268057
PCA
PCAも、PCA商魂・PCA商管・PCA会計といった、販売管理・購買管理・会計システムが揃ったERPパッケージとして、多くの会社に導入されています。PCAの場合、クラウド型ドキュメント管理サービス「PCA Hub eDOC」(2022年2月発売予定)により、改正電子帳簿保存法のスキャナ保存と電子取引に対応しています。
国税関係書類などの各種書類の保存を対象にした、電子文書管理システムとしては、電子帳簿保存法対応システム「e-Success(イーサクセス)」で4条3項スキャナ保存にも対応しています。
https://pca.jp/area_product/webapi/scansave.html
自社に合った会計システムを選ぶには
電子帳簿保存法の改正ポイントはある程度分かっていても、具体的にどのようなシステムに変更すれば良いかが分からない、という声も良く聞きます。
上記の4つのシステムはそれぞれ改正電子帳簿保存法に対応したもの(あるいは対応予定のもの)になっていますが、会社の規模や業態によって相性も異なってきます。
もし改正電子帳簿保存法対応として、どのようなシステムがよいか診断したい等、何かお困りのことがありましたら、お気軽にご連絡をいただければ幸いです。